次回「こぶしの会」
問い合わせ:筑波記念病院 つくば血液病センター「こぶしの会」事務局
茨城県つくば市要1187-299
☎029-864-1212(代)
FAX029-864-2765
メールアドレスkinen.hematology@gmail.com
HP http://tsukuba-kinen.or.jp/pc/tmh/encounter/kobushi/
*「こぶしの会」事務局からの情報に基づき、上記案内を記載しました。
(文責:HospAC)
筑波記念病院血液疾患 患者・家族会「こぶしの会」のこれまで
みなさんこんにちは。会の発足から2年半、今までの歩みをまとめてみました。試行錯誤の途中です。患者が二人いたら患者会ができる、という単純な発想から始まりました。誰かとつながりたい、聞いてもらいたい、聞きたいという願いからです。
● 会の発足まで
H18.10 血液疾患患者Y(多発性骨髄腫・臍帯血移植をH16.4実施。当施設ではYは初めての臍帯血移植患者)が外来診察の折、主治医Dr.K(のちに患者会の顧問)に患者会を作りたいのだが、との相談をする。
ちょうどDrの側でも患者会の必要性を感じていたようすで、すぐさま田中先生に会の発足についての相談をしてくださる。
DrとYとの間で、会の開催に向けて具体的な内容のFAXのやり取り開始。
院内での開催に向けてDrがすべて立案、最初のチラシを作って担当の外来患者に手渡ししてくださる。
● 第一回患者会
H18.12.2 記念すべき第一回患者会を院内の会議室で開催。
参加者は患者・家族19名、看護師2名とDr.K(顧問医師)。
顧問の声かけがあっての参加者19名。
初めての顔合わせで、自己紹介の後、Yのほか幹事を1名選出。
会の名称を「こぶしの会」(こぶしは病院前のシンボルツリ―)とする。
院内の会議室を会場に、2か月に1回、偶数月の第一土曜日を「おしゃべり会」定例開催日と決める。
参加者は、記念病院で治療をする血液疾患を持つ患者、その家族を対象とするが、基本的には関心がある方は誰でもいつでも自由参加。
定例会の内容は自由な「おしゃべり」を中心とし、情報交換と親睦を深める目的とする。
● 幹事と顧問の打ち合わせ
H19.3 今後の会の方向について、幹事2名と顧問との初めての打ち合わせ。
会としての形をはっきりさせる目的で「こぶしの会」の約束を作ることにする。
院内患者会連絡協議会(HosPAC)の規約を参考にさせていただく。
顧問から会のロゴマーク、立看板を作りましょう、との提案を受ける。
● ロゴマーク・立看板ができるまで
顧問の支援によってデザイン会社への手配がなされ、ロゴマーク、立看板の作成のために動き出す。
デザイン会社へは患者会の想いや希望を伝えたりしながら、双方向でやり取りをし、歩
み寄り、実際に完成物が手元に届いたのは半年後。
ロゴマークは大変好評、立看板2枚とパネル1枚、それぞれ受付と入院病棟のナースセンター前に置かれている。
● 幹事の選出
第一回の会で幹事2名、第3回の会でさらに2名の幹事を選出。
女性1人、男性3人の構成。
その後、他の幹事候補に打診をするがうまくいかず、最近は、みんなでやりましょう、という声が。
● 会報について
第3回の会で、会報を作ってはどうか、という参加者の声を受けて、無理せずに、誰が幹事になってもできる会報作りを目指す。
初めのころはA4・1枚でと出発したが、ロゴマークができ、さらに参加者の体験談を入れようという内容の変化とともに、A4・3枚とか4枚、そして特別号なども。
会報の印刷、郵送のために、毎回1家族200円の参加費をいただくことに。
2か月に1回の会報作成は、幹事4人が順番を決めて担当。
会報は1回でも参加したことがある方も含めて全員に郵送。メールは少数。
カラー印刷、部数の増加に伴って200円の参加費では厳しいのが現状だが、この金額は上げたくない、という思いでなんとか続けている。
体験談の原稿依頼は参加者に声をかけるが、厳しい闘病体験を積んだ者ばかりなので、伝えたいという思いが強く、誰もがみな気持ちよく書いてくださる。
看護師からも書いていただく。
● 病院理事長に挨拶
H19,8 病院側の理解と協力があっての患者会なので、礼儀として病院理事長にご挨拶の必要を感じ、理事長に会えるよう、顧問への依頼をしてから2か月、幹事4名と顧問も同席の上、理事長に挨拶がかなう。
● 「ミニおしゃべり会」
2か月に1回の「おしゃべり会」、1度休むと4か月後にしか参加できないので、毎月開催をしてほしいとの声が出る。
病院敷地内のレストランを借りて、奇数月第一土曜日には飲食を伴った会を開くことに。
もちろん参加は誰でも自由。
定例の「おしゃべり会」には出ない内容の話や、家族のことなど、より親密な会になっている。
最近は、会の運営についての問題点や新しい提案などが出たりして、みんなで会に関わろうという雰囲気がここで作られている。
以前は幹事だけで打ち合わせをしていたが、この場がそれに代わってきている。
● レクリエーション
これまで2回のレクリエーション実施。
場所、指導者は違うが、どちらもそば打ち体験。
患者・家族・友人・会社の仲間、そして看護師さんたちが参加。
● 1周年、2周年の記念の集い
1周年の集いでは、顧問の講話を。
2周年の集いでは、顧問の講話、そして「語り」を聞く会となる。
簡単な茶菓を用意したが、参加者の差し入れなどもあり、楽しい交流会となる。
● 患者会の広報
H20.4 病院の広報誌「記念樹」に患者会を紹介させていただけないか、顧問を通して依頼。
会と広報誌担当者との情報交換により、3ヶ月後実現。
H20.11 「こぶしの会」のHP作成に、病院側として協力する用意があるとの話を顧問より受ける。
常々、会の安定継続に心を砕いておられる顧問の配慮の一端。
会独自では技術面でも知識面でもHP作成は不可能なので、作成、管理は病院広報課で担当してくれることに。
掲載情報は、看護師長を通じて広報課に伝える形でHPの更新など進められている。
H21.3 HP公開。
今後に向けて
現在の参加者を見渡してみると、会の設立当時からの参加者は幹事以外にはいない。
あとは、入院時、看護師長による呼びかけで参加した者、患者同士の口コミにより参加した者という状況である。
1ページを割いて病院広報紙へ会の紹介をして頂いたが、これに反応したのは1組のご夫婦のみ。
患者や家族が、自力で患者会の存在を知り行動を起こすことは、そうそう簡単なことではないことがわかる。
院内に患者会があるということの意味は、治療を受けながら、今後の生活のQOLを維持していくために最も欲しているものが、身近な手の届くところにあるということなのではないか。
先の長い病であるがゆえに、孤独にならず、患者同士のつながりは大切だと思う。
つながりが深まっていったとき、定例会のみではなく、電話をかけあったり、訪問しあったり、それぞれの病状の変化とともに、介護の情報や種々の助け合いの場が作られていくようにも思う。
歴史が重ねられることで、会の特徴ができてくるのではないか。
すべての出発点は病院に入院した時から始まる。
患者が会の存在や活動の情報を、忙しい医師や看護師の手を煩わせることを最小限にしながら、たやすく手に入れることができるような仕組みができないものだろうか。
医師や看護師の方たちの異動も考えると、一部の方たちにだけ負担がかかる形は避けなければならない。
そして、患者会が医療者のお荷物となってはいけない。
血液の患者になったら、当り前のように患者会があることを知ることができる仕組み。
医療の現場に会が関わることはもちろんないが、医療と並ぶ線の先に精神的な支えの場が院内にあることは、患者としてはありがたい。
そのような会の存在が、形には見えなくも、側面からなにかしら医療のお役に立てていけるならうれしい。
先の長い病であるがゆえに、心身ともに安定した生活が送れることは願いである。
会が発足して2年半。
顧問や病院側の大きな支えに感謝しつつ、「おしゃべり会」で過ごす時間を楽しみに待つ参加者が増えてくれることを願っている。
まだまだ何があるか分からないが、記念病院の患者会がどんな歩みをしていくのか、ちょっと楽しみにしている。