慶応大医学部ノバルティス造血器腫瘍治療学講座ー市民公開講座と血液情報広場つばさーフォーラムの共催のフォーラムになった。・・・いいことだと思う。
1.基本的な情報の講演では、パワポのコピーが配布されていた。(とても参考になる)
①岡本先生の「血液がんの病態とその治療」は、毎回洗練の度合が進むパワーポイント
の映像とユーモアーのある語りで、分かった気分にされられた。
②大橋先生の「新しい薬剤の評価方法を理解する」は、患者にも薬が効くという情報の
信頼性を見抜く力の必要性や臨床治験の重要性を熱心に呼びかけたおられた。
2.疾患別に分かれての分科会は、患者からの質問が数多く出されQ&Aが活発であった。
CMLの分科会に参加したが、治療薬の断薬への質問が多かった。ブログやその他で、
休薬・断薬等の服用中止の情報が横行しているが、現在治験が行われている段階で
あり、十分な医療上の観察下での実施の必要性を、データを示して説得されていたのが
印象的であった。
3.「チーム血液の在宅医療」このテーマは、慶応にて、移植患者の患者会発足から始まり
チーム医療へと展開され、今回第5回目として血液疾患患者の在宅医療の道づくりの
話だった。血液疾患の患者のほぼ半ばは、いずれ辿る道であり、いざとなるとなかなか
的確な支援を受けることが難しい現状がある。参加者からの会場での討議がなかった
のは、まだ元気に治療に邁進する患者の方々が多かったからであろうか。
次回は、もっと掘り下げて検討してほしい課題である。
難しいことはさて置き、久しぶりに参加してみると、あの人・この人と久しぶりにいろんな
患者仲間にお会いできた。何よりの喜びであった。
(三鍋康彦)
が、
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ALLさち (土曜日, 11 8月 2012 17:14)
いつも大変お世話になっております。
在宅のお話ですが、症例のあの方の場合は、やはりとても恵まれていらっしゃるケースだと感じておりました。
在宅移行への重要なキーは、やはり病診連携,チーム連携にありますよね。
詳細は勉強不足なのですが、終末期血液患者さんの在宅療養においてネックになる一つの大きなことは輸血です。在宅での輸血管理はコスト面でもニーズにはそぐわない様な制約があり、なかなか受け入れられる施設が少ないと聞いています。
施設は異なっても、同じ病院の医師だからこそ叶った理想的なケースではないかと感じています。
あのような催しには適したレポートだったと思いますが、あのケースがスタンダードだとは、まだ、思って頂きたくないと個人的には思っています。
これから、このようなケースが増えていくにはどうしたらいいのか、もしかしたら、フォーラムでの議論にはまだふさわしくない現状なのかもしれない…と思っております。
在宅医療のお勉強会に少し参加していますが、地域の医療者も一生懸命な様子が伺え、少しずつだったとしても(終末期の)在宅医療は充実していくと信じています。
百軒 (土曜日, 25 8月 2012 22:03)
ALLさちさま、コメント見ました。仰る様に全力投球されている未だ数少ない事例かと思います。血液腫瘍の終末期患者を直接見る体験はありませんので憶測ですが、造血機能の喪失に対して、どこまで血小板・赤血球補給で支え様とするのか、栄養輸注をどこまでやるのか、多臓器不全の発生にどこまで対処するのか、医療的観点と医療経費的観点の双方から医療チームとして考えねばならないでしょう。ご指摘の様に、在宅医療では非常にケアーの至難な課題ですが、拠点病院としては、最早患者を院内に止めておく法的根拠を喪失する状況でもあります。
毎年、3万人ほどの方が辿る道ですが、規範はありません。
患者や家族も、その判断を受容する心の準備が必要と思います。
今も、ただ見守るしかない知人がいます。