10/6に、東京にて慢性骨髄性白血病(CML)の患者の交流会が、開催された。
年間の発症頻度が10万人に1人と言われ、グリベック出現以前の10年生存率40%、
グリベック出現後の10年生存率90%とみると、おおざっぱに言って全国での患者数は、2万人程度であろう(いずれにしても正確な統計資料は存在しない)。
会場に集まったのは、100人弱で、普通にはなかなかお会いすることのない同病患者の人数としては、多いと感じた。このような患者仲間と、講演・懇談会を通じて学び交流できたのは、嬉しいことであった。主催された「いずみの会」のみなさまに感謝したい。
さて、感想として、三段階に分けたい。
①講演1:【CMLの最近の治療】日本医科大学付属千葉北総病院 猪口幸一教授
*治療ガイドラインであるグリベック・タシグナ・スプリセルの三薬の作用機構の解説、
選択要因としての主治療効果・副作用・服用の難易、などがあり、患者にとっても大
きな関心事である。
医療者へのアンケート調査では、第一選択の治療薬として、
スプリセル 38%、タシグナ 38%、グリベック 17% となっていて
第二世代の治療薬が、優先選択されてきている。
*治療薬服用中止の治験結果が、いくつか出てきており、2年以上の期間十分に
治療効果が上がっている場合は、40%ほどが再発しない可能性が示唆されている
*新薬BostinibがUSAで承認
*難治性のフラデルフィア染色体異変(T315I)にたいする新薬の治験が欧米で進んでいる
Ponatinib(USAで治験フェーズⅡ)日本でも来春より治験開始予定
DCC-2036(USAで治験フェーズⅠⅡ)
治療薬の選択肢の増加と服用中止の可能性など、患者にとって朗報であるとともに
自己選択に悩むことにもなり、主治医とのコミュニケーションがより大切になってきた。
②講演2:【良い遺伝子のスイッチをONにする方法】北里大学病院副院長 平川和重
*僅かな遺伝子の差異で多様な人体を構成している。眠っているいくつかの遺伝子を
より有効に活用して、素晴らしく生きてみよう。
*生命を生み出した奇跡を信じて、心豊かに生きることを心がける。
感謝と他利の心 ・ありがとう・おかげさま・もったいない・いただき
ますーごちそうさま・つつしみ
奇跡を起こす力 ・福知山線事故ー鈴木もも子(母)の信念で娘を蘇生
・映画「1/4の奇跡」障害者への想い
・NHK朝ドラ「カーネーション」145話奇跡
・院内コンサート(医療効果出る)
*遺伝子がONになる要因
精神的要因 ・感動、愛情、希望、信条、祈り」など…免疫力アップ
・ショック、怒り、恨み、不安、興奮…免疫力ダウン
よい遺伝子をONにすることを心がける。
③交流ーお喋り
*講演を受けて、副作用などの悩みの交換になり、楽しい交流ができた。
*一、二の気になった点に触れておく。
**処方されている薬を、自己の判断で服用しない人が結構いた。その多くは
主治医には、報告していない。後ろめたいのだという。
**薬を切り替えたいのだけれども、主治医に申し出る勇気が出ない。
**高額療養費制度で、3ヶ月処方などのことをまだ知らない方がおられる。
**このような患者の集まりのあること、あるいは患者会のあることを
知らない人が結構いる。
(百軒)
コメントをお書きください
三鍋康彦 (木曜日, 25 10月 2012 13:05)
法的根拠が曖昧な問題のため、医療機関によって取り扱いが異なるようです。①掛かられている医療機関の相談室で、確認されてはいかがでしょうか。
②病院を変えることに関しては、多くの要因があるので、お答致しかねます。
③このブログに紹介しました「会」などの機会を活用することも一助では
ないでしょうか:
*もっと知ってほしい「慢性骨髄性白血病(CML)」のこと2012
11月3日 CMLの患者の方が大勢来られます。
*血液疾患難病の医療相談会:10月28日 (申し込み制)
④ご存じのことかと思いますが、関連した情報のURLを載せておきます。
*血液情報広場つばさ・・・・トップ頁の最下部に3ヶ月処方を記載
http://tsubasa-npo.org/
*CML治療新薬掲示板・・・・現在3ヶ月処方で論議されています。
http://8213.teacup.com/glivec/bbs
小生は、神奈川県内の医療機関で、グリベックなどでの3ヶ月処方を受けています。
ご参考になれば幸いです。