日本造血細胞移植学会に行ってきました

みなさま、こんにちは。帝京大学病院 しらたまの椚原です。

 

今月7-9日に金沢で日本造血細胞移植学会の総会が行われ、昨年(大阪)に引き続き参加してきました。この総会はボランティアなど一般の人も参加費2000円を払えば、自由に参加することができます。そして、最終日には市民公開講座(申込不要・無料)が開催されます。今年のテーマは「移植がもたらす『無限の喜び』」、司会は金沢大学の中尾眞二医師と「萌の会」の和田真由美さんでした。

 

オープニングは尺八の合奏。合奏者の一人は移植患者さんでした。造血幹細胞移植ミニレクチャー・金沢大学造血幹細胞移植チームの歩み・造血幹細胞移植にかかわった仲間からのメッセージ(患者・ドナー・看護師・医師)と話が続きました。金沢大学は故服部絢一教授の指導の下、骨髄移植に先駆者的な役割を果たしてきたのですね(講座のテーマは服部先生の言葉「不治の病を治した時の喜びは無限に近い」から)。そんなみなさんの熱い思いが伝わってくると共に、中尾先生の「それぞれができることを」の言葉が心に沁みました。

 

そして特別講演。スピーカーは成人T細胞白血病(ATL)を克服された元宮城県知事の浅野史郎さん。「骨髄移植でもらった命 ―移植前と移植後―」と題し、笑いをまじえての50分の熱弁でした。2004年、献血でHTLV-1陽性とわかり、2009年に61歳で発症。骨髄バンクを介してミニ移植を受け、今は慶應義塾大学の職場に復帰されているとのこと。患者としての体験を語るだけでなく、ATLという病気の特性や治療法、骨髄バンクの現状などの話を織り交ぜ、客観的に病気と向き合っている姿に感銘を受けました。病気に打ち勝った達成感のある今、「同病患者に勇気を与える(メディアを通じて)」「同病患者に情報を与える(患者会ATLネット)」「移植のさらなる進展に尽くす(厚労省・造血幹細胞移植委員会)」という新しい使命に燃えているそうです。今後のご自身の目標は「東京マラソン10キロ(移植者枠)参加」と「100歳超え」。なんとも頼もしいですね。

 

終了後、和田さんにごあいさつをと思いましたが、タイミングが合わず一言言葉を交わしたのみ。

またいつかどこかでお目にかかりたいです。ちなみに来年の学会総会は沖縄で開催の予定です。

 

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コメント: 1
  • #1

    百軒 (金曜日, 15 3月 2013 16:41)

    すっかり学会などへは、足が遠のいています。このような風の便りが、ことさらに嬉しく感じられます。

    日本造血細胞移植学会が、大都市集中ではなくローカルな中核都市での開催をされるのも、いい印象が持たれます。市民公開講座も、とても熱を入れられている様子が伺えますね。

    来年は、沖縄ですか。遠いかな~
    沖縄には、グループネクサスの足跡があり、血液腫瘍の院内患者会が出来ましたよ。(2年前には見つからなかった)