オーダメイド医療の落穂拾い

文部科学省リーディングプロジェクトに『オーダーメイド医療実現化プロジェクト』がある。

   なかなかチャーミングなトップページになっている。

   研究者向けであるが、内容も多彩である。

 

 

ここから、話がアメリカのことに飛躍するが、NMOの記者の目の記事で、

    『癌の全ゲノムシーケンスを一般患者が受けてみたら』

が目に付いた。(facebookにも出ているので記事をリンクしておく)その中に次のようなところがあった。

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癌の全ゲノムシーケンスは、ここ数年のDNAシーケンサーの進歩により可能になった検査だ。患者の正常な体細胞と癌細胞のゲノム配列を比較し、癌細胞で起きている変異を明らかにするとともに、その変異を持つ癌にとって最適な治療を探す、というものだ。2003年には30億ドルかかったヒト全ゲノムの解読コストは、2013年の時点では約1万ドルに下がり、必要な時間も数日にまで短縮されている。癌全ゲノムシーケンスの前例としては、2011年にセントルイスのワシントン大学の研究者たちが、急性骨髄性白血病を発症した同僚ルーカス・ワットマン(Lukas Wartman)博士のゲノムを解読し、腎細胞癌と同じ遺伝子(FLT3)に変異を持っていることを突き止め、スニチニブ投与で寛解に持ち込んだ例がある

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大学などの研究機関では、研究という目的も兼て遺伝子なりDNA解析などにより、治療方法の選択の検討を積み上げていっていると思っている。とりわけ、血液腫瘍の研究分野では他のがんに比べてデータが豊富である。健保適応の範疇から外れるために、普遍的とは言えない部分があるが、果てしない領域へ少しは踏み入れているのであろう。米国での事例は、その先の可能性と困難さ(技術的&経済的)を示している。

                              (文責・三鍋康彦)