Mission Accomplished! Mission Completed!

未だ、手元に残してある愛読書である。俳人が花盛りの世ではあるが、これだけの全集を出せる人は、これからはあろうか。己に課した使命を見事な結末で幕を引き、享年86歳で生涯を閉じた、稀有の俳人 飯田龍太である。

      若き日の句;  春の鳶寄りわかれては高みつつ

     終結の頃の句;  なにはともあれ山に雨山は春 

このような人にこそ、表題の言葉はふさわしいといえる。

 

3年有余前に、血液疾患の小さな患者会をさがしてみた事がある。その後の消息を尋ねてみようと思い立って、少しづつ覚束ない足取りで探してみている。新たな出逢いがあり、また消息不明もある。そこでは、多くの人々が自ら課した使命の遂行に、病身に鞭打ち悩む心に炎を燃やして、献身の努力を傾けている姿が覗える。

 

「がん」が、我々から去る日は永遠に来ないだろう。患友への思いに燃える人達にも、表題のような言葉を叫ぶ日は来ないかもしれない。でも、明日を信じて歩んでいかれる姿に、一患者として感謝したい。

 

                                   百軒