病院内コンサートでのハップニング

 
 
 
関東労災病院で、初めてのイベント、【『命の歌』コンサート~太田美知彦】が開催された。キーボードを弾きながらの歌が3曲ほど続いた時に、ハップニングが起きた。

車椅子で参加していた入院中の老婦人が、自分も歌わせ欲しいと声を上げたのである。詩を創り高じて作曲もしたものを持ってきた、限られた時間の身なので、ここで歌うことを許してほしい・・・・と
主宰者は歌手の顔を見た、歌手はすぐににこやかな笑みを浮かべて手招きをした。歌い終えた老婦人は、イベントの終わりまで満足した笑顔を浮かべていた。

太田美知彦は、自分の命と引き換に生んでくれた母親の事を語り、生前に会うことの叶わなかった母への想いを込めた自作曲 “あなたに逢いたい”を歌い、聞くことのなかった子守唄への憧れから活動の一つの拠点としている沖縄の子守唄 “童神”古謝美佐子作詞作曲など、心温まる数々の歌を集まった患者らへ届けてくれた。

この病院には、緩和ケア委員会なるものがある。このイベントの主宰者でもある。多様な医療職種のメンバーで構成されていて、チーム医療を狙っていると思われる。この委員会が、昨年より「がん教室」を隔月で開催して来ている。まだ周知度が低く、参加する患者は10名ほどであるが、それぞれの役割の人が話を聞いてくれるので、熱心に個別の相談をする患者の姿がある。「患者サロン」のない病院なので、このような教室の延長で「医療者と患者・家族の語らいの場」を作ったらと看護師さんらに話をしている。

この日は、がん教室には患者が十数名参加していたが、引き続いてのコンサートには三十数名になっていた。車椅子での入院患者が多く参加していた。
(百軒)