発足以来8年、年間6回開催されてきた院内患者会である。
半年ぶりに参加してみた。20名ほどの集まりで、1/3が初めて
お目に掛かる顔ぶれであり、マンネリ化が見られないところが
印象的である。
移植治療法選択に苦悩されている人生半ばのご夫妻の話から始まった。
医師からのEBM/インフォームドコンセントは懇切に受けられたとの
ことであるが、5年生存率などの数字の厳しさに、決断への逡巡がある。
移植サバイバーらの経験談や説明をそっと支えた看護師の助言が光っていた。
偶然、ピアナースの参加があり、時間いっぱいの話し合いをされて、
そのご夫妻は、帰り際に笑顔を浮かべておられた。
また、この会に初めて参加された希少疾患に属するお二方の患者が、
鋭い質問と話に出た情報の克明なメモ取り姿が、非常に真剣に映った。
命を懸けた話も、想い出話も綯い交ぜではあるが、三々五々と集まり
何かの安らぎを貰って帰る「おしゃべり会」である。
このような会が8年も続いているのには、独りでも黙々と開催準備をする
世話人の存在・おしゃべり会にボランティアで顔を出してもらえる
病棟看護師や時折の医師の熱意・会場を提供してくれる病院の善意が
その陰にある。写真は、その風景を示したものである。
(百軒)
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ALLさち (日曜日, 30 3月 2014 16:33)
部位を問わない様々ながん患者会に参加していますが、移植前患者さんには殆どお会いしたことがありません。
血液患者と固形がん患者さんとは、その病態や治療の違いでちょっとした壁があるような気もします。
そんな中で、共通項に対し、お伝えできることはいろいろ試みてきました。
でも、移植を悩まれる患者さんに対する自分の思いの吐露はまた違った心持になるのだということを実感致しました。
「自分と同じ病気・同じ家族背景(例/小さな子供を遺す苦痛)の人と話してみたい。」という方の痛烈な訴えをお聞きしたことが幾度かありますが、それを別の角度から感じることができた気が致します。
一瞬でも心にゆったりする様な隙間が出来て、意思決定が少しでも穏やかな気持ちでできることに繋がって頂けることを、願っております。