第5回目の患者フォーラムに、初めて参加した。
①医療者主導である。
②フォーラムというよりは、院内患者会のプチ講座&おしゃべりサロンに近い。
③公開性である。
印象に残った諸点を挙げてみたい。
①地域住民へのがん医療の啓蒙と支援
当該病院の患者関係者に限定せず、がん患者・家族・知人へと公開されている。
ポスター掲示・配布のほか、腫瘍内科ホームページや医療者ブログ・Facebookで周知を
図っている。
②参加者のとって心理的なバリアーの少ない運営
医療者中心で運営されているが、敷居が低くなるように事前申込しなくてもフリーに
参加できる。且つ、費用は無料である。
講演会とあるが、プチ講座のかたちをとり車座レクチャーと言えるもので、質疑に
対しての医療者の対応は、平易且つ懇切で、時間を無視してまで対応していた。
講演テーマの選択に、事前に準備した質問箱への投書を役立てている点も、患者の
意向を汲み上げる姿勢が伺われる。
③患者サロンへの医療者の役割
当日は入院患者を含めて30名有余の参加者であったが、3グループに分けての患者
同士のおしゃべり会に設定されていた。各グループには医療者の参加があり、適宜
交代もしていた。患者同士の話の傾聴もあれば、医療者への諸々の質問も気兼ねなく
できる雰囲気であった。
患者視点での今後への期待
①開催頻度を年6回程度に増やす
②患者からの世話人の活用
この病院は、武蔵小杉地区の中核病院として、もっとも古く1937年から地域の医療を担ってきた地域住民には馴染みの深い病院である。川崎市中原区地区では、現在がん診療拠点病院として、国指定・自治体指定がそれぞれに1病院があるが、この病院は指定には入っていない。
それにもかかわらず、医療側からのがん患者・家族への積極的な働きかけの姿勢が、素晴らしいことだと思う。(がん患者フォーラムのほか、市民公開講座やキャンサーボード勉強会への市民参加が可能)
数年前から、俄かにこの武蔵小杉にタワーマンションが立ち並び、一挙に住民が増えてきた。
このマンション群に隣接している武蔵小杉病院が、述べたように積極的に周辺のがん患者・家族や関係者へ啓蒙や支援の姿勢を打ち出していることは、地域医療の周辺への豊穣な環境づくりに大きな貢献をしていくことだろう。
文責:百軒
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