身近に血液腫瘍の治療薬のルーツあり

佐賀大学の木村晋也教授との出会いで、植物に存在している数多くの成分の中で、現在の医療に活用できるものが多く存在していることを、改めて知った。

 

野茨はどこにでもあるありふれた木である。その一種に、ローズヒップがある。とりわけ女性に人気のあるハーブティーとして、その実が使われているし、種子から採れる精油はエステなどでの美容に使われていて、野生よりも専用の農園があるほどになっている。

 

先日、患者会(ももの木)の理事会総会が終わり、立ち寄ったレストランのメニュー(飲み物)にローズヒップティーがあった。躊躇することなく選んだ。

ローズヒップの種子には、トランスレチノイン酸(ATRA)が含まれている。このATRAにより難治性の白血病(APL)が治癒することが知られている。抗がん剤としての効果を見出したのは、中国のWang博士である。発表当時、半信半疑であった世界の専門家らも、追試ですぐにその顕著な治療効果を認めたものである。ありふれた存在のビタミンAの類であったので、大きな驚きであったのだろう。

(百軒)