患者支援に注がれた命

大寒の日、日立から思わぬ訃報が届いた。日立総合病院での患者会設立に尽力された鈴木さんの急逝の知らせである。東日本大震災も自らの再発治療も乗り越えて会の育成に心血を注がれた方である。設立された患者会は、今では病院のホームページに息づいている。

http://www.hitachi.co.jp/hospital/hitachi/infor/notice/nyugan/index.html

 

昨年夏には、「オリーブの会」を主宰され多くのがん患者を支えてこられた中山さんが、急逝された。この院内患者会世話人連絡協議会(HosPAC)にも、初回から参加されて多くのことを教えて頂いた方である。今でも、時折残されたホームページを眺めることがある。時が止まったままである。

http://web.thn.jp/olivenokai/index.html

 

此れから患者会を立ち上げようとされる方に、是非にと見学にお誘いしてきた血液腫瘍の患者会「ヒマラヤ杉の会」がある。済生会習志野病院の藤川先生と二人三脚でこの会を作り上げてこられたMさんも、今では空から見守っておられよう。一人ひとりへの心くばりに尽された方である。

 

HosPACの総会会場の東大病院は、初めてだと迷いやすい広々とした東大構内の一角にある。息せききって駆け付けられた峯村さんとお話しできたのは、その時が最後となった。患者会「ルピナス」の設立に苦心惨憺されておられた峯村さんに曳かれるように、設立起案者のSさん・Kさんと続くようにして亡くなられた。しかし、残ったメンバーの藤田さんによって確りと病院内に根付いた患者会となっていて、病院のホームページに案内が掲載されている。

http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/sinryou/shinryoushisetsu/shinryoushisetsu_10/gansaron05.html

 

がん対策推進計画に基づいて、「患者サロン」が医療者側から準備されるようになってきつつある時代であるが、このように自らの病いを背負いながらも、病める人たちへの心血を注いだ支援に奔してこられたその活動の志を、しっかりと受け止めて行きたいと思う。

 

(合掌)

                                    百軒