映画『サムライフ』原作者長岡秀貴氏のトークショー

ぶらりと立ち寄った『銀座NAGANO』。アンテナショップにしては、洗練された店構えであり、且つ長野県の人たちの活動を支援するサロンがある。店員の方に勧められるままに、何の予備知識もなく長岡秀貴氏のトークショーを拝聴した。

不登校児など学校や社会に居場所のない子どもらの支援のために、【侍学園スクオーラ・今人】を設立し、社会に出た時に自分で食っていける人間となるような教育を行って、10年になるという。その経緯は、著作【サムライフ】があり、同名の映画【サムライフ】28日からロードショーが始まるので、そちらを見て頂きたい。

トークショウの中で、長岡氏が少し触れられた点を挙げてみたい。

精神的な原因から頭痛・腹痛で登校拒否になる子供を、精神科へ連れて行く母親は皆無である。少ないながらも小児科まで子供を連れていっても、医師が子どもの精神的葛藤を見抜けるかどうか怪しい。長岡氏が学園の経験を生かし、ある病院の小児科でのカウンセリングに関わっているという。十分に子供を診てやれない医師を支援するのである。子どもに会って5分の真剣勝負という。そこで子供がまた病院に来ることを納得したら、24時間子供を支えられる母親に子供を託し、再度の通院を重ねるうちに、子どもが学校などに居場所を求められるように指導していけるのであるという。


今、成人の患者の持つ精神的葛藤を支えるべく、「ピアサポート」なることが叫ばれており、がん対策推進計画などで、「がん患者サロン」の設置が決められている。これも、場所を準備し、人を配置すれば良しとするならば、単なるお茶会や勉強教室に変じてしまう。医療者と患者とのコーディネーションができる長岡氏のような【人】が必要だと思う。