灌仏会なのに、関東は大寒小寒!甘茶を召しあがれ!

紫陽花は有毒な植物ですが、同じ「アジサイ属」である「甘茶」は古くからよく知られた甘味料です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「甘茶」は、「額紫陽花」によく似た花を咲かせる同じ「アジサイ属」の仲間です。紫陽花が広く観賞用に植栽されているのに対して、甘茶は主に、生薬採取のために栽培されています。生薬の立場から見ますと、紫陽花はその花を採取・乾燥したものにアントシアニン・カフェオイルキナ酸が含まれていて、生薬「紫陽花(しようか)として民間で使われているのに対し、甘茶は、其の葉にグルコフィロズルチンを含み、摘み取った葉を天日乾燥後水を含ませて自然発酵させると、

フィロズルチンに変わります。再度乾燥させたものが、生薬「アマチャ」と言われるものです。漢方薬の甘味付として配合されたり、糖類摂取に制限のある疾患への甘味剤や歯磨きなどの甘味剤としても、使用されています。

 

甘茶の葉に甘みのあることは古くから知られてきました。旧暦4月8日はお釈迦様の誕生日とされていて、それを祝う「灌仏会」という行事があります。花に囲まれ、天上天下を指さす誕生仏の像に、甘茶を灌ぐ習わしとなっています。この甘茶は、生薬「アマチャ」を煎じてつくられるお茶です。灌仏会のお寺で頂く「甘茶」を飲むと、苦悩を癒し長寿を与えると言われるものです。

  なお、厚労省HPの自然毒リスクの項に、20092010年に甘茶を飲んだ子どもらで、嘔吐症状を起こしたことがあると記載されています。原因不明ですが、甘茶をあまり濃くしないのがいいのかも知れません。

 

「潅仏や 皺手あはする 数珠の音」      松尾芭蕉

                  

花言葉としては、『至福』『祝杯』『謙虚』が挙げられます。