蔵書のゆくえ

蔵書家の片鱗もないミーハー本好きである。単身赴任が多く転勤の度に多くの書籍は適宜処分してきた。残る僅かな書籍も、身終まいの年齢で処分をしている。日本で唯一入院した病院(除く生誕時)の関東労災病院では、病棟に置かれたわずかな本を読ましていただいた。1年前、血液病棟の新しい看護師長さんとふと出遭った時に、いくらかの本を引き取っていただいた。
この1年で、外来棟の書籍コーナーにも少しずつ本が増えてきて、他の場所との本の入れ替えもされているようである。「オレンジ会」なる患者の集いに出た時に、その師長さんから本のお礼の言葉を頂いた。

帰路の酷暑を考えて、チョット一休みに立ち寄った本のコーナーに見覚えのある本があった。懐かしさのあまりに手に取って開いてみると、はらりと栞が落ちてきた。間違いなしに、引き取っていただいた本である。役立てて頂いているのが嬉しかった。

                                   (百軒)