関東労災病院の【オレンジ会」発足

猛暑の昼下がり、七夕の飾りのある中で、院内放送で患者の集いの案内が流れた。

関東労災病院内での『オレンジ会』第1回が開催のお知らせである。院内の「緩和ケア委員会」主催による、がん患者のための学びと交流の場である。緩和ケアの啓蒙活動をしている「オレンジ・バルーン・プロジェクト」の使命と志を共にしたいと念じて「オレンジ会」と命名されたと言う。

この病院は、「神奈川県がん診療連携指定病院」であって、国が認定する「がん診療連携拠点病院とは異なる。拠点病院ではないので、国立がん研究センターの「がん情報サービス」に掲載されてはいない。また、神奈川県庁は、がん患者の交流を目指した「患者サロン」の情報を発信していない。(「患者サロン」の推進をすべき組織からの情報の欠落)

その関東労災病院は、指定病院の認定を受けた時に、「がん教室」の開催を始め2年ほど続いたが、患者の集まりが悪く(推測)中断してしまった経緯がある。今回、1年ぶりに想いを新たにした「がん患者の集い」として、『オレンジ会』を発足したと言う。

ミニ学習のテーマの「がんとお金」は、法的な規定のある話で知らないと不利益になる事柄である。講話の後、車座になってのQ&Aでは、具体的な質疑の応答でにぎわった。その流れで、語り合いに移っていったが、心の悩みを訴える患者の声が多く見られ、以前の「がん教室」とは違った雰囲気の場が展開された。

患者が10名ほどに、医療者がその数を上回る場であったので、初めは患者側の発言に遠慮の様なものがあったが、医療者の温かい支えがあって、これからもこのような患者の交流の場を続けて欲しいとの声で、その会を終わった。これからの成長を期待したい。

                                     (百軒)