関東労災病院の試み・・・オレンジ会(第2回)

国が指定している「がん診療連携拠点病院」は、全国で407(+2)がある。その機能を地域的に補填するために都道府県各自治体が指定しているのに、「がん診療連携〇〇病院」がある。関東労災病院は、後者である。この病院にある緩和ケア委員会は、以前に「がん教室」を開催していたが、なぜか中断してしまった。本年に入り、がん患者・家族対象の「オレンジ会」として再発足させたようである。 内容は、ミニレクチャー+交流会であり、恐らく多くの拠点病院で開催されているのと似たり寄ったりかも知れない。
悪天候の中での開催であったが、病棟からの患者も含めて患者・家族が10名ほど参加していた。
色々な病種のがん患者の面々であったが、レクチャーのテーマ(がんと薬―痛みどめ)とは離れた話題が交流会で多く出てきた。日頃、医療者や各種の情報源で解決を見出していない悩みや今後の生き方などを、医療者と共に語り合った。長時間かかる抗がん剤の点滴でのその人なりの苦痛への対処・転院の問題や主たる治療を受ける病院と日頃は近くの病院での受診の可能性・病によるライフマップが描けない悩み等々患者にとっては、病状と環境は時事刻々変化していくので、色々な壁にぶち当たる。そのタイミングで、医療者や患者仲間と語り合えるこのような機会のあることは、大きな支えになる。この会の更なる充実を期待したい。
(百軒)