医療者の心の奥処・・・とある医療コーディネーターのはなし

さらりと読めるよく出来たお話しの著作である。でも、書肆で手にすることはなかったであろう。医療コーディネーターなる職種はあまり患者仲間では話題とはなっていないが、「認定医療コーディネーター」なる資格を認定している日本医療コーディネーター協会のHPをみれば、何者かは浮かんでくる。主人公の活動拠点が、今を時めくタワーマンション林立の武蔵小杉の為、日頃徘徊している土地ゆえに主人公「仁奈」がぐっと身近に感じられるのは、あくまで個人の問題に過ぎない。
しかし、このお話のモデルなる方が、堀エリカさんであることで、視点が全く異なってきた。医療という世界で、彼女が何故にかくも心血を注いで「患者」に寄り添おうとするのであろうか。彼女の心を揺り動かすものを知りたいと思った。
少し前に目にしたエッセイに、「命の物語:今日という日に/明日のために(あさのあつこ著)」

がある。ここには、患者に篤く心を添わせる医師が登場する。仁奈と共通するものがある。企画・制作朝日新聞社広告局になるもので、日本医科大学が提供している。その武蔵小杉病院もふくまれている。

患者仲間には、天命とばかりに患者支援活動に奔走している人たちがおり、薬剤師や看護師にもそこまでと思うほどに患者への想いを遂行されてる方にも出遭うことがある。それでも、医療の現場では病院と限らず家庭までも、「命」を巡って問題が錯綜しがちである。医療コーディネーターの役割をを、患者の視点から学ばねばならないとも思う。