とある患者サロン「オレンジ会」のこと

年末年始をはじめ、このところ暖冬とかでのんびりと過ごしていた関東に、ハッピーマンデー連休明けに突然寒波がやってきて、この横浜も初雪と報じられた。選りによってこんな日に、関東労災病院にて患者サロン「オレンジ会」があった。

この「オレンジ会」は、2011年に神奈川県指定の【がん診療連携して病院】となってから、院内の緩和ケア委員会の面々が、患者への啓蒙を目指して「がん教室」を開催したことから始まった。昨年度からは、患者同士の交流の意味合いを含めて患者サロン「オレンジの会」と名付けて運営している。医療者側の力の入れ方に対して、患者らの反応は鈍く現在年会開催7回で患者家族の参加は、おおむね10名前後である。
折角の医療者の灯てくれている火を消さなないためにもと、のこのこと参加してみた。連休明けで多忙だろうと思われる医療者の参加が12名に対し、それでも患者や家族が9名出席をしていた。作業療法士のリハビリテーションのレクチャーに続いて、医療者・患者家族の交流会となった。一緒にリハビリ体操をやり、患者の今の悩みなどの語りには医療者からのアドバイスなどがあり、口内炎と歯磨きの悩みでは、すぐに適切なサンプル・資料を手配して配布するほどに医療者の気配りが目立った。

 

スポーツ医療・整形外科に比べて、がん診療のウエイトは高いとは言えない医療機関ではあるが、県指定から国指定の「がん診療連携拠点病院」となるべくいろいろと体制の整備に努めている節がみられる。昨年、拠点病院の「患者サロン」を調べてみたら、国指定の拠点病院の85%が「患者サロン」を運営するようになっているのに対して、都道府県指定の拠点病院では,自治体による差異が顕著である。関東労災病院が、明日を目指して活動していることの表れの一つが「オレンジ会」なのであろう。

 

拠点病院数の多い地域での「国指定」と「都道府県指定」の数を並べて見ると、次のようになる・

             (国指定)(患者サロン開設)  (都道府県指定)

      北海道     20    (19)         21

      埼玉県     13    (10)         11

      千葉県     13    (11)         17

      東京都     27    (22)         27

      神奈川県    17    (12)          8

      愛知県     17    (15)          9

      京都府     13    (12)          7

      大阪府     17    (14)         45

      兵庫県     14    (10)         10

      福岡県     15    (14)          2  

夫々に行政上の指針や思惑もあるだろうが、ふと、狭い面積の土地にも拘らず突出した府指定のある大阪府は、何を基準に考えているのかとも思う。