小冊子「もしかしたら スキルス胃がん」に接して

オレンジ会というがんサロンへ参加した時のことである。10名ほどの参加者であった。これぐらいだと同病の患者との出会いはほぼ期待できない。でも、共通の患者視線での話題がある。血液腫瘍の患者会なるものは、全国で大小合わせてかれこれ100ほどがある。だが、患者数がはるかに多い胃がんの患者会は数えるほどでしか見いだせない。ふと、隣り合わせの方に、「胃がんの患者会は少ないのですよね」とつぶやいたら、「私は胃がんなんです」と言われながらバッグから大切そうに出されたのが、上掲の小冊子「もしかしたら スキルス胃がん」であった。

 

NPO法人がんサポートかごしまの三好さまの「いのちの授業」が東京であり、念願の参観をさせて頂いたのが昨年の師走のことであった。その折に、NPO法人スキルス胃がん患者・家族会「希望の会」を設立された轟ご夫妻をご紹介いただいた。「希望の会」の患者&家族である轟ご夫妻の執筆になる小冊子「もしかしたら スキルス胃がん」を出されたのはこの1月なのである。これを、素早く入手されていた「オレンジ会」で出会った方は、きっと熱心に情報を集めておられる方なのだろう。海外旅行に行くのですよとお別れした時の笑顔が心に沁みた。

 

ネット上でも公開されているので、早速に読ませて頂いた。患者視線でなお且つ病にいかに対処してゆくかの澪標がわかりやすく書かれている非常に真摯な冊子である。                         百軒