新人ナースの初心

入院をすると、担当の看護師が決められる。しかし、三交代で深夜・昼・夕刻での替りとチーム内ローテーションで日々変わっていく。その中で、Kさんが印象的であった。検査測定値は必ず計器を見せながら数値を伝える・尋ねた事項には医師からのコメントを伝えてくれる・点滴の速度調整を時計で図って設定する・質問事項や話に出る医学用語はポケット版の手帳を繰って確認呈示をしてくれる・・・ETC。いつからと尋ねたら、「この4月から看護職に就きました」との返事で、パリパリの新人である。血液病棟という厄介な病棟勤務がスタートである。ふと見ると、作用ワゴンに『病気が見える…血液』が置かれていた。

家内との立ち話を小耳にされたのだろうか、「大阪のかたですか」と声を掛けられた。「大阪で学んで看護師になりました。大阪ってとても楽しいところです」といわれた。ご縁であろう。出身地を尋ねたら、福岡だという。それなら、「福岡には宮地さんが主宰される『リボンの会』という血液疾患の患者や家族のための会がある。」「浜の町病院の衛藤先生が顧問をされている素晴らしい患者会である」など話をすると、「共済でしょう、その『浜の町病院』には小さいときから掛かってきました」とキラキラ目を輝かせた。重ねてのご縁のように思われた。

次の機会には、成長された立派なKさんにご厄介になることだろう。       (百軒)