告知されたら何を調べたら病気がわかるだろうか・・・CML

最近日本癌治療学会が、ESMO(欧州臨床腫瘍学会)による「患者さん向け手引き」の翻訳版を出した。

少しばかり拾い読みをして、ふと思ったのは、「今、初発でCMLを告知されたらどうするだろか」である。主として病気自体と治療法の視点から、思いつくままに手引きになるものを並べてみた。

これぐらいは、病院の患者向け図書室に欲しいと思う。       (百軒)

  

 

「がん情報サービス」から出ている冊子やがんの解説がある。初めてだと、理解するのに幾許かの努力がいるかもしれない。

 慢性骨髄性白血病(冊子)ネット上閲覧可

                 慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍  ネット閲覧

 

製薬メーカであるノバルティスファーマ―小冊子が出されている。

慢性骨髄性白血病と向き合う方へ(冊子)ネット上閲覧可

図柄が多くてわかりやすいかもしれない。

             右側にある冊子は、インフォームドコンセントサポートライブラリー

             で、とても分かりやすいが医療者にしか手に入らない。

 

 

製薬メーカであるブリストルマイヤーズからも冊子が出ている。

 

 

 

もう少し病気の周辺も含めた情報なら、骨髄バンク推進連絡協議会が出している冊子

『白血病と言われたら』がいいだろう。

また、ノバルティスファーマ―がネット上に出している『CMLステーション』も参考になる。

 

 

キャンサーネットジャパンからは、専門家によるスライドでの解説が講義様式で提供されている。

少しばかり基礎知識があれば、新しい情報が見られる。

 

 

白血病の優れた書籍もあるが、医療技術の進歩の激しい疾患にあっては、一般向けのがん情報雑誌『がんサポート』の血液特集号などが、アップデートな情報を見るのに好適である。

 

冒頭に述べたESMO制作の『患者さんの手引き』は、少し予備知識が必要かもしれないが、よくできている。

European Leukemia Net が出していた『慢性骨髄性白血病治療の実践マニュアル』は、当時は日本に医療者が手引書にしたものである。今でも参考になろう。

 

 

本格的に調べるには、日本血液学会の出している『造血器腫瘍診療ガイドライン』がある。勿論医療者向けであるが、患者が見ても悪くはない。

それ以上の個々の専門論文などは、必要があれば主治医に尋ねればいい。

 

ふと思い出したのが、数年前に患者仲間と論じ合った『妊孕』のことである(European Leukemia Netに掲載)。造血幹細胞移植対象者などでは、昨今ようやく治療開始前での必要な事項としての認識が深まりつつある。治療方法の背景を全く異にはするが、CMLの治療開始に際しても同様に大切なことである。この視点から、これらの「手引書」をチェックするのも意味があるだろう。