情報のタイムラッグ

インターネットやマスメディアなどで周辺にはあふれかえる情報が流れていると言われるが、自己のアンテナ次第であり、ほとんどは知らぬが仏で打ち過ごしている。医療また然りである。青天霹靂の如くなにがしかの難病の告知を受けた瞬間、医療者との彼我の情報の隔絶差を痛感することになる。

 

長年患者生活を過ごしていると、それなりの情報への近接の機会がある。がんに関わる世界では、国立がん研究センターの手になる「がん情報サービス」は、信頼性の置ける情報として手にすることが多い。偶々腎臓に関して気になることがあり、更新日時2012年・2013年の小冊子と腎細胞がん解説を紐解いてみた。どこか腑に落ちないところがあり、これもよく見させてもらっているキャンサーネットジャパンの「Cancer Channel」を探してみた。ここは、講演の動画が見られ講演者がパワポを駆使して語る話は、タイムリーなことが多い。2015年の講演動画に先の解説書にはない新たな情報が見られた。ここまでくると、学会情報などは及ぶべくもないが、せめて標準治療法を見たくなる。

 

がん診療連携拠点病院といえども、患者向けに充実した図書サービスを提供しているところは多いとは言えない。がん診療連携拠点病院の一つである井田病院が近くにある。ここには、「がんサロンいだ」という空間があり、いろいろな患者へのイベントが開催されているが、患者向けの図書室でもあり、コンパクトではあるが良質な選書がされている。 早速、この「井田病院」へと足を運んだ。ネット上でも蔵書のリストが映像で検索できるのであるが、やはり手に取ってみたかった。  が、探す答えが見つからなかった。2011年度出版の標準治療法があったが、そこには動画で見た情報を見つけられなかったのである。幸いいつもの「司書」さんが居られたので、相談してみた。反応は早かった、すぐに、この7月に出版されたばかりの「標準治療法」を持ってきていただいた。そこには、はっきりと最近の治療法の進歩が、標準化されて姿を出していたのである。

 

勿論、診察や治療を受ける必要の生じた場合には、主治医が教えてくれることばかりなのではあるが・・・・・・                              (百軒) 

        「ほっとさろんいだ」の患者向け図書の一端  ↑

「ほっとさろんいだ」の患者向け図書(医療関連図書)で、蔵書登録されている書籍が

ネット上で検索されるシステム。↑