患者会を探して・・・岩手県

岩手県下では、血液疾患の患者会を見出すことが出来なかった。

しかし、岩手医科大学附属病院腫瘍センターにある「がん患者・家族サロン」

素晴らしい案内に出逢った。

リンク設定してあるので、そのホームページを閲覧していただくのがベストだが、

以下にその内容を断片的に紹介してみたい。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

難病が降りかかり、また長引く療養の日々に、医療者に縋ると共にふと同じ病の方と話をしてみたくなる。がん対策基本法の施行以来、患者交流の場の設営が促進されだし、ピアサポートとして「患者サロン」や「患者会」などが医療機関や地域にみられるようになってきた。

でも、突然同じ境遇の方の話を聴いてみたいと思い立っても、どこへ行けばいいのか戸惑う。掛かっている病院の方に尋ねてみるのが、近道である。それでもわからない時には、公開されている情報を検索することになる。 

 

岩手県は、関東一都6県の全面積の1/2の広大な土地であるが、日本血液学会の研修施設4か所やその他を含めての血液疾患の患者会を見いだせなかった。地域での主要な医療施設として挙げられる「がん診療連携拠点病院」10ケ所にも、血液に関する患者会は見いだせない。その拠点病院の一覧を眺めていて、ふと気づいたのが私立系の岩手医科大学附属病院を除いて、その他の拠点病院は全て県立の病院である点であった。それ故でもないだろうが、岩手県庁のホームページ中の「がん対策」の項には、県内の「がん患者・家族サロン」と「がん患者・家族会」がよく整理されて掲載されている。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、岩手県下の拠点病院の中核である岩手医科大学附属病院(岩手県がん診療連携拠点病院)のホームページには、豊かながん患者・家族への交流の場やイベントなどの情報が掲載されている。私立大学病院であるが、すべて公開制なのも嬉しい点である。

がん対策推進基本計画が遂行されてまだ日の浅い2009年に、「がん患者・家族サロン」を開設しているが、当初に掲げられたメッセージには次のように述べられている

爾後、がん患者・家族サロンの開設以来10年の歳月が流れ、全国の多くの拠点病院に於いてもがん患者サロンが運営されるようになり、内容も多彩となって来ているが、岩手医科大学附属病院のホームページに掲載されている「がん患者・家族サロン」の内容は、現在でも患者に寄り添った平明で豊富な事例として突出したレベルである。

 

腫瘍センターページトップにあるボタン「がん患者・家族のサロン」を押せば、来訪者を下図のような楽しそうな雰囲気で迎えてくれる。

そして、そこには五種類メニューボックスが備えられていて、必要な情報を選んだり未知の処を探索したりできる。

初めて参加しようとする人やサロンに興味のある人は、先ずは【がん患者・家族サロン紹介】を開くことでしょう。

【挨拶】腫瘍センター長の挨拶として、医療の原点としての心の交流を図るべく医療者と患者との対話を毎月開催し、不安や悩みを抱える患者・家族への寄り添いに「がん患者家族サロン」を設置して、常駐の専従者スタッフとボランティア参加者を配置。

【目的と機能】

 目的:がん患者およびその家族に対する精神面を中心としたケアの充実

機能:1.がん患者・家族同士の情報交換・親睦が図れます。

    2.がんに関する様々な情報が収集できます。

    3.がんに関する疑問に医療者が対応します。

【対象】公開性を明確にうたっている。

 

 

【スタッフ】

 

 顔写真入りでスタッフを紹介していて、参加への心理的な抵抗が小さくなる。

【利用者の年齢・住所など】

 

 参加者の人数や年齢層や住まいの地区などが分かるのも、参加への関心のある人には参考になる。県内のあちらこちらからも参加されている様子が伺える。

【予定表】

今月のみならず、来月、それに先月の予定までが見られる。

 いろいろなイベントがあり、イベントのない日はコメディカルが在室してよろず相談に乗てもらえる。患者会関係者やボランティアの参加の有無も記載されている。

 毎日開かれているので、内容により選択できる仕組みになっている。

 

 また、終了したイベントの記録が掲載されているのも、興味がある。

【がん患者・家族サロンだより】

 病院の広報誌ではなく、患者向けの広報誌である点が注目される。

 

 

以上、断片的に岩手医科大学附属病院腫瘍センターのホームページに掲載されている
「がん患者・家族サロン」の走り読みである。がん診療連携拠点病院にはがん患者サロンの開設が義務付けされて、多くはそのホームページに案内を掲載しているが、この事例ほど患者へ寄り添っての懇切な案内は多くはない。                     
(文責:三鍋康彦)