START TO BE:造血幹細胞移植支援活動in神奈川

このプロジェクトの運営者のお一人、プロジェクトマネージャーの古賀真美さんは、ご自身のブログにて次の様に語られている。                           (百軒)

 

 

私がCNJへ入職して6年目。やっと総合的な(とあえて書くのは、造血幹細胞移植の支援は、患者さんや家族だけではないし、ドナーさんだけでもないと思ってきたので)移植治療に関する支援活動ができるチャンスをいただけたことに感謝しています。

このブログでも書いてきたけれど、私の弟は2002年の秋に「フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(Ph+ALL)」と診断され、骨髄バンクでドナーが見つからず、私がミスマッチドナーになった経験があります。

Ph+ALLは予後が悪い(生存率が低い)白血病で、「白血病は血液のがんなので手術はできない。抗がん剤の治療だけでは長期生存は望めない。根治を望むならば骨髄移植しかない。」と言われました。

骨髄移植をするにはドナーが必要ですが、たった一人のきょうだいである私はHLAが一致しておらず、すぐに骨髄バンクで探していただきましたが、結果的に見つかりませんでした。「骨髄バンクできっと見つかるだろう!」と勝手な期待をしていた私たちは、奈落の底に突き落とされたような気持ちでした。今思えば勝手に期待をしていただけなのですが。

「がん」といっても肺がん、乳がん、大腸がんなど罹患者が多い「固形がん」の情報は割とたくさんありましたが、血液がんである特にPh+ALLの情報は少なく、不安な日々を過ごした頃のことを今でも忘れることはできません。

複数の医師から助言を受け、結局、私がミスマッチドナーになり臨床試験の移植を受けました。その後、弟の体調は紆余曲折ありましたが(本当にいろいろありましたが)、15年経過した今、元の生活に戻り趣味のパラグライダーで空を飛べるようになりました。

この15年間、移植が必要な方々やご家族からたくさんの相談を受けてきました。皆さんの悩みは、治療や医療機関の選択だけではなく、ドナーソースのことだったり、人間関係だったり、固形がんとは異なる移植治療の特殊性を感じるものでした。

なので、移植治療には「総合的な支援が必要」だと、ずっと思ってきたのです。

 

 話は長くなりましたが、やっとこの思いを実現する機会をいただきました。

移植を受ける患者さんやご家族には、納得して受けてほしい。でも、この「納得」って簡単ではありません。

骨髄バンクの非血縁ドナーさんには、家族の理解や職場の理解、行政の支援が広がり、速やかに提供に至るるようになってほしい。

血縁ドナーさんの支援は置き去りにされています。血縁ドナーさんは家族としてだけでなく、ドナーとしても患者を見守り続けなければなりません、この家族ゆえの複雑な思いは、世に知られることはほとんどありません。

この造血幹細胞移植総合支援プロジェクトの難しさは、総合支援であること、つまり対象が「オールターゲット」であることです。

 

どうか、このプロジェクトへのご意見ご感想をください。

皆さんと一緒にSTART TO BEの活動を続けていけるよう、ご協力とご支援を、よろしくお願いいたします。