患者・家族のための病院内のラウンジ「ほっとサロンいだ」のこと

 

 

がん対策推進基本計画(第2期)にて、がん診療連携拠点病院に於ける患者交流の場の開設推進が決められて、2013年度には研修テキスト「がんサロン編」「がんピアサポーター編」が作成・配布された。そしてこれを契機に、拠点病院に於ける「がんサロン」の開設が進みだした。2014年度末では設置率が70%となり、その後内容の充実に歳月を要して現在に至っている。現在でも、医療機関によって注力度に大きな差があり、其の実施内容は様々でもあるが、その是非を論じる立場にはない。

通院している拠点病院ではなかったが、拠点病院井田病院(川崎市)にある「ほっとサロンいだ」を初めて訪ねたのは2015年で、以来5年近い歳月時折足を運んでいる。その魅力を考えてみた。

 

日吉丘陵の最も高い地形の建つ井田病院内の最上階に、患者・家族と支援者・医療者・ボランティアの交流の専用の場として設けられた場所が、ラウンジ「ほっとサロンいだ」である。南側全面のガラス窓からの「みなとみらい」を中心にした横浜の街並みを望遠してBGMに耳を傾けていると、病を忘れてほっと落ち着いた気分になる。室内には、ボランティアさんの作品となる手芸品が優しく迎えてくれて、温かい気分にさせてくれる。

今月は、小さな鳥や昆虫の細工が置かれていた。病院内の一室というイメージには程遠いのが嬉しい。壁際に整然と並べられた医療関連の催し物や紹介のパンフレットは、アップツーデートされていて便利である。ぎっしりと並んでいる書架の本は、診療ガイドラインなども含めた医療関係の書籍で、効率よく病気のことが調べられるのはとてもありがたい。そのうえ、メディカル分野に明るい司書さんが居られるので、患者には頼りになる優れモノの図書館でもある。人々の交流の場としても、定期的に月々10回近い開催イベントがあるので、好みと都合で選んで参加できる。

Dr.Nishiの願いを、病院経営者や医療者やボランティアの人たちの支援で実現した、患者や家族のためのラウンジである。

「病院の中にあり、病院の中ではない場所」

「自分の生きる力を取り戻すための場所」

「とりあえずここにくれば、探していたものが見つかる場所」

 

訪れて心がほっこりした折には、何かできることをちょっぴりでも遺してゆきたいものである。

                                                                           (百軒)

 

 

 

イメージとして、折々のほっとサロンいだ」の場の写真を並べておく。

 

*「ほっとサロンいだ」の入り口

 

 

*窓外の風景―みなとみらい遠望

 

*室内―集いのテーブル

 

*出迎え―人形

 

*置物―ボランティアさんからの手作りの贈り物

 

*参加者―三々五々と

 

*イベント情報などのパンフレットが整然と

 

*医療関係の書籍がびっしりと

 

*あんな本こんな本が・・・

 ➡画面をクリックすると、蔵書の一覧が見られます。

 

*外にはボランティアさんが丹精込めた花壇が

 

*そして小さな水辺が

 

 

***詳細は、井田病院のホームページへどうぞ。