Web会議システムによる患者交流会や講演会

がん患者会コミュニティ運営の一手法としてWeb会議システムの利用の勧めが、日本対がん協会の「がんサバイバー・クラブ」に掲載されていた覚えがあった。

血液腫瘍疾患などの患者会は、全国規模のものから診療所内の院内患者会の大小あわせた100ほどの患者会が活動されている。しかしながら、血液内科医のいる病院が500有余なのに血液疾患の院内患者会のあるところは多くはなく、かつその多くば関東圏や都市部に集中していて、地理的な理由で一患者として参加するのが困難なことが多い。コミュニケーションの地理的な不利な条件の解消方法として、Webによる情報交流や会議はビジネスの世界では有効に活用される時代である。
ふと目に留まったのが、グループ・ネクサス・ジャパンが開催した「ZOOMを用いたWebミーティングである。

 

 

グループ・ネクサス・ジャパンは、全国組織の血液疾患(リンパ腫に限定)の患者会である。珍しく、12の都道府県に支部組織を構築して、ローカルな形での患者交流会を活発に行っている。その支部組織の一つとして、「オンライン支部」があるのが注目される。

 

院内患者会は、通院している患者数から見ると小規模での交流会が多く、また患者でもあるリーダーの後継者難や閉鎖的な交流になりがちである。血液疾患の病態は非常に多様であり、同じ疾患の人と話し合いたくてもなかなか巡り合えないこともある。その様な中で、院内患者会同士がWeb会議システムなどで連携して交流を試みられれば、より多くの患者にコミュケーションの機会を提供することが出来るだろう。プライバシーなど多くの課題があるが、グループ・ネクサス・ジャパンの試みが注目されるところである。

 

 

別の話になるが、近く「Webで参加するCML市民公開講座」が行われる。全国どこからでも参加できるので、嬉しい試みである。

                                        (百軒)